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なぜ家計簿が続かないのか?よくある3つの理由と解決法

家計簿を始めても三日坊主になってしまう背景には、いくつかの共通した原因があります。まずは自分がどのパターンに当てはまるのかを理解しましょう。

完璧を目指しすぎると続きません

細かすぎる項目設定が負担に

家計簿を始める際、食費を「食材」「外食」「惣菜」と細かく分類したり、交通費を「通勤」「私用」と分けすぎたりしていませんか。

項目が多すぎると、買い物のたびに「これはどの項目に入れればいいんだろう」と悩んでしまい、記録作業そのものがストレスになります。最初は大まかな分類からスタートするのが継続のコツです。

シンプルな分類例

分類 内容
固定費 家賃・光熱費・通信費・保険料など
変動費 食費・日用品・交際費・医療費など
特別支出 冠婚葬祭・家電購入・旅行など

1円単位までの正確性にこだわりすぎる

レシートの金額と財布の残高が1円でも合わないと気になって、何度も計算し直していませんか。

100円単位、場合によっては1,000円単位での記録でも、お金の流れを把握するという目的は十分達成できます。記録の精度よりも、継続することを優先しましょう。

明確な目標がない状態での記録

「とりあえず家計簿をつけておこう」という曖昧な動機では、モチベーションが続きません。家計簿は手段であり、目的ではないからです。

「半年で10万円貯める」「毎月の外食費を2万円以内に抑える」といった具体的な目標があれば、記録する意味を実感でき、継続しやすくなります。

忙しい人でも続けられる実践的なコツ

仕事や家事に追われる毎日の中でも、工夫次第で家計簿は無理なく続けられます。ここでは時間をかけずに記録できる方法をご紹介します。

自分に合った方法を見つけるのが鍵

記録のタイミングを決める

「時間ができたら記録しよう」と考えていると、結局後回しになってしまいます。

通勤中の電車内、昼休みの5分間、寝る前のリラックスタイムなど、記録する時間帯を固定すると習慣化しやすくなります。毎日が難しければ、週に一度のまとめ記録でも構いません。

記録方法の選び方

  • 手書きが好きな人:市販の家計簿やノートを使用
  • スマホに慣れている人:家計簿アプリを活用
  • 表計算が得意な人:ExcelやGoogleスプレッドシートを利用
  • 記録が苦手な人:銀行口座やクレジットカードと連携する自動記録アプリを検討

レシートの管理方法を工夫する

財布の中にレシートが溜まると、どれを記録済みか分からなくなってしまいます。

記録が済んだレシートはすぐに捨てるか、日付ごとに小さな封筒に入れて保管するなど、シンプルなルールを作りましょう。レシートが出ない支払いは、スマホのメモ機能にすぐ記録する習慣をつけると漏れを防げます。

完璧を諦めて6割主義で進める

すべての支出を漏れなく記録しようとすると、負担が大きくなります。

自販機での飲み物代や数百円の細かい買い物は省略しても、全体の収支把握には大きな影響はありません。大きな支出さえ押さえておけば、家計の傾向は十分つかめます。

家計簿を活かして家計改善につなげる方法

家計簿をただ記録するだけでは意味がありません。記録したデータを分析し、具体的な改善行動につなげることが大切です。

記録は手段、改善が目的です

1ヶ月ごとに振り返る時間を作る

月末や月初に10分程度でよいので、その月の支出を振り返る時間を設けましょう。

「今月は外食費が多かったな」「光熱費が先月より高い」といった気づきがあれば、次月の行動を調整できます。数字を眺めるだけでも、無駄遣いへの意識が高まります。

チェックすべきポイント

項目 確認内容
予算との比較 設定した予算内に収まっているか
前月との比較 急に増えた支出項目はないか
固定費の見直し 削減できるサブスクや保険はないか

数字の変化を見える化する

支出をグラフにすると、数字の羅列よりも家計の状況が一目で把握できます。

手書きの家計簿なら簡単な棒グラフを描く、アプリやExcelなら自動でグラフ化される機能を使うなど、視覚的に変化を捉えられる工夫をしましょう。貯蓄額が増えていくグラフを見ると、継続のモチベーションにもなります。

家計管理ツールを活用する

日本FP協会の便利ツールでは、家計の収支確認表やキャッシュフロー表をダウンロードできます。

これらのツールを使えば、現在の家計状況だけでなく、将来のライフイベントに必要なお金も見通せます。専門家が作成したフォーマットなので、初心者でも使いやすく設計されています。

困ったときは専門家に相談

自分一人では家計改善の方向性が見えないときは、ファイナンシャルプランナーへの相談も選択肢の一つです。

家計簿を続けるための自分に合った方法や、具体的な貯蓄目標の立て方など、プロの視点からアドバイスを受けられます。日本FP協会では無料相談会も定期的に開催されています。