食費を削る前に知っておきたい「上限」という考え方

家計管理で「節約」を考えた時、真っ先に食費を減らそうとする人は多いです。確かに食費は毎日かかるもので、ちょっとした工夫次第で金額が変わるので、手をつけやすい項目に見えます。でも、食費を削りすぎると、後から大きな代償を払うことになるかもしれません。
健康を害してしまえば医療費がかさむだけでなく、仕事にも影響が出ます。疲れが取れなくなったり、集中力が落ちたり。節約のつもりが、かえって生活の質を下げることになってしまうのです。だからこそ、「どこまでなら削っていいのか」という上限を知っておくことが大切です。
「削りすぎ」が引き起こす健康へのリスク
食費を削る時、つい安い炭水化物中心の食事になりがちです。パンやおにぎり、カップラーメンばかりでは、タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素が不足してしまいます。最初は「ちょっと疲れやすいかな」という程度の変化でも、それが続くと免疫力が下がり、風邪をひきやすくなります。
さらに厄介なのは、栄養バランスの悪い状態が長く続くと、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まることです。食費で浮かせたお金が、将来の医療費として消えていく。そんな本末転倒な状況は避けたいですよね。
心の健康にも影響する「無理な節約」
食事を極端に制限すると、体だけでなく心にも影響が出ます。「食べたいものを我慢し続ける」というストレスは、思っている以上に大きいものです。そのストレスが爆発して、結局お菓子やスイーツを買い込んでしまったり、外食に走ってしまったりする人も少なくありません。
貯金が上手な人ほど、実はきちんと3食食べているというデータもあります。満足できる食事を取ることで、心が安定し、無駄遣いをしなくて済むのです。逆に、空腹や栄養不足は判断力を鈍らせ、衝動買いを招きやすくなります。
収入に対する食費の「現実的な上限」を知る
では、どれくらいまでなら食費を削っても大丈夫なのでしょうか。目安となるのが「エンゲル係数」です。エンゲル係数とは、家計の消費支出の中で食費が占める割合を示す指標で、「食費÷消費支出×100」で計算します。
エンゲル係数から見る適正な食費
一般的に、エンゲル係数の理想は15~20%と言われています。25%を超えると、食費の負担が大きすぎると考えられます。ただしこれは、あくまで消費支出に対する割合です。手取り収入で考える場合は、収入の15~20%を目安にするとわかりやすいでしょう。
| 手取り月収 | 食費の目安(15%) | 食費の目安(20%) |
|---|---|---|
| 20万円 | 3万円 | 4万円 |
| 25万円 | 3.75万円 | 5万円 |
| 30万円 | 4.5万円 | 6万円 |
| 40万円 | 6万円 | 8万円 |
この表を見るとわかるように、手取り20万円なら月3~4万円、手取り30万円なら4.5~6万円が適正範囲です。もちろん家族構成によっても変わってきますが、一人暮らしで月2万円を切るような食費は、健康を維持するには厳しい金額と言えます。
世帯構成による違いを考慮する
食費の上限を考える時、世帯人数も重要な要素です。単身世帯では外食やコンビニ利用が増えやすく、エンゲル係数が高くなる傾向があります。一方、複数人の世帯では自炊の効率が上がるため、一人あたりの食費を抑えやすくなります。
- 単身世帯:月3~4万円(外食多めなら4~5万円)
- 二人暮らし:月6~7万円
- 4人家族:月8~10万円
- 5人家族:月9~11万円
ただし、子どもの年齢によって食べる量は大きく変わります。育ち盛りの中高生がいる家庭では、この金額より多めに見積もっておいた方が無理がありません。
「削るべきでないライン」を見極める方法
自分の家計で「これ以上削ると危険」というラインを見つけるには、いくつかのチェックポイントがあります。
栄養バランスが保てているかを確認する
毎日の食事で、タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)、野菜、炭水化物がバランス良く取れているかを振り返ってみましょう。もし主食ばかりに偏っているなら、それは削りすぎのサインです。
スーパーで買える普通の食材で、難しい料理をする必要はありません。ご飯と味噌汁、主菜一品に漬物や納豆といった発酵食品があれば十分です。こうした基本的な食事ができる範囲を、削っていい下限と考えるといいでしょう。
体調の変化に敏感になる
食費を削り始めてから、疲れやすくなったり、集中力が続かなくなったりしていませんか。風邪をひく回数が増えたり、肌荒れがひどくなったりするのも、栄養不足のサインかもしれません。
体からのこうしたメッセージを無視して節約を続けると、結局、病院代やサプリメント代として出費がかさむことになります。体調が優れないと感じたら、それは上限を超えているサインです。
固定費の見直しを優先する
実は、食費を削るよりも効果的な節約方法があります。それは固定費の見直しです。保険料、通信費、サブスクリプションサービスなど、毎月自動的に引き落とされているお金を見直すと、一度の見直しで継続的に節約できます。
格安スマホへの乗り換えで月数千円、保険の見直しで月数万円浮くこともあります。食費を我慢してストレスを溜めるより、使っていないサブスクを解約したり、プランを変更したりする方が、ずっと楽に家計を改善できるのです。
どうしてもお金が足りない場合のみ、少額だけ借りるという方法もあります。カードローンでは1万円などでも借りられるようになっているので、食費だけでも借りることができます。
参考ページ:アイフルで1万円しか借りられない理由と利用限度額を引き上げる方法
健康を守りながら食費を管理するコツ

とはいえ、食費を全く見直さないわけにもいきません。健康を損なわずに上手に管理するには、どうすればいいのでしょうか。
予算は「週単位」で考える
月の予算を決めたら、それを4週で割って週単位で管理すると、使いすぎを防ぎやすくなります。例えば月4万円なら週1万円。この範囲内でやりくりすれば、月末に慌てることもありません。
週の予算を封筒に分けて管理すると、残りがひと目でわかるので便利です。デジタルでも、週ごとに記録をつけると同じ効果があります。
自炊と外食のバランスを取る
完全に自炊だけにすると、料理が苦手な人にはストレスになります。かといって外食ばかりでは食費がかさみます。自分のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で自炊を増やすのが理想です。
週に1~2回は外食やテイクアウトを楽しむ日を作っておくと、気持ちにも余裕が生まれます。その分、他の日は簡単な自炊で済ませる。そんなメリハリが、長続きする秘訣です。
「削る」より「選ぶ」という発想
食費を減らすというより、何にお金を使うかを選ぶという考え方に切り替えてみましょう。高級食材を買う必要はありませんが、旬の野菜や安売りの肉を上手に使えば、栄養バランスを保ちながら出費を抑えられます。
コンビニでつい買ってしまうお菓子やジュースをやめるだけで、その分を食材に回せます。何気ない出費を見直して、本当に必要な食材を選ぶ。そうすることで、自然と食費の質が上がっていきます。
食費の上限は、単なる数字ではなく、あなたの健康と生活の質を守るための基準です。削りすぎて体を壊したり、心に負担をかけたりするより、適正な範囲で管理する方が、長い目で見れば賢い選択です。収入や家族構成に合わせた現実的な上限を知り、その範囲内で工夫を楽しむ。そんな姿勢が、健康で豊かな生活につながります。