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月の支出を見直すときに最初に確認すべき項目

毎月なんとなくお金が足りなくなる、貯金がなかなか増えないという悩みを抱えているなら、まずは支出の全体像を把握することから始めましょう。

闇雲に節約するより、どこにお金が流れているかを知ることで、効率よく家計を改善できます。

固定費の洗い出しが最優先

支出を見直すなら、まず確認したいのが毎月決まって出ていく固定費です。食費や日用品のように変動する費用と違い、固定費は一度見直せば継続的に効果が続くため、節約効果が大きいのが特徴といえます。

一度契約を見直すだけで、毎月自動的に数千円から数万円の差が生まれることも珍しくありません。

固定費の主な内訳を把握しよう

固定費といっても、その内訳はさまざまです。代表的なものとして住居費、通信費、保険料、サブスクリプションサービスなどが挙げられます。これらを一覧にして整理することで、削減できる項目が見えてきます。

固定費の種類 見直しのポイント
住居費(家賃・住宅ローン) 収入の25~30%が目安。オーバーしていないか確認
通信費(スマホ・ネット) 格安プランへの乗り換えで大幅削減の可能性
保険料 重複していないか、保障内容が現状に合っているか
サブスク・会員費 使っていないサービスを解約するだけで節約に

実は多くの人が、使っていないサブスクリプションや過剰な保険にお金を払い続けています。これらは契約時には必要だと感じても、ライフスタイルの変化とともに不要になっていることがあるため、定期的にチェックするのがおすすめです。

日本貸金業協会の家計見直しツールなども参考にしながら、現状を整理してみましょう。

支出の優先順位を明確にする

すべての支出が同じ重要度というわけではありません。生活に必要不可欠な費用と、あれば嬉しい程度の費用を区別することで、削減すべきポイントが明確になります。

何を残して何を減らすか、その判断基準を持つことが家計改善の鍵になります。

支出を3つのカテゴリーに分類する

支出を「必需品」「必要なもの」「あったら嬉しいもの」の3段階に分けると、優先順位がつけやすくなります。たとえば食費は必需品ですが、毎日の外食は「あったら嬉しいもの」に分類できるかもしれません。

  • 必需品:住居費、最低限の食費、光熱費、通勤交通費など、生活の基盤となる支出
  • 必要なもの:被服費、交際費、趣味の費用など、人生を豊かにするための支出
  • あったら嬉しいもの:衝動買い、使わないサービスへの課金、過度な娯楽費など

感情的な支出を見極める

ストレス発散のための買い物や、なんとなく契約し続けているサービスなど、感情に左右された支出は意外と多いものです。

レシートや利用明細を見返してみると、「これ本当に必要だったかな?」と思う項目が見つかるはずです。そうした気づきこそが、無駄を削る第一歩となります。

優先順位を決める際は、自分や家族の価値観を大切にしましょう。外食を減らすのが苦痛なら、別の項目で調整する方法もあります。無理なく続けられる見直しこそ、長期的な効果を生み出します。

収入と支出のバランスを可視化する

お金の流れを把握するには、収入に対してどれだけ支出しているかを数字で見える形にすることが不可欠です。

漠然と「足りない気がする」ではなく、具体的な数字で現状を認識することで、改善策も具体的になります。

家計簿やアプリで記録を始める

最初は完璧を目指さず、大まかな記録から始めるのがポイントです。レシートを撮影するだけで自動入力してくれるアプリや、銀行口座と連携できる家計簿アプリを使えば、手間をかけずに支出を把握できます。

また、金融庁の家計管理シミュレーターのようなツールを活用すれば、自分の家計状況を客観的にチェックできます。

  1. まず1か月分の支出をすべて記録してみる
  2. カテゴリーごとに集計し、割合を確認する
  3. 収入に対して支出が何%かを計算する
  4. 理想の配分と比較し、ギャップを見つける

赤字の原因を特定する

収入より支出が多ければ、どこかで赤字が発生しています。全体を俯瞰すると、意外な項目に大きな金額が使われていることに気づくかもしれません。

たとえばコンビニでの少額の買い物も、積み重なれば月に数万円になることがあります。細かい出費ほど見落としがちなので、記録することで初めて実態が見えてきます。

記録を続けると、自分の消費パターンや無意識の癖も分かってきます。週末に使いすぎる傾向があるのか、ストレスがたまると買い物が増えるのかという自己分析が、より効果的な支出管理につながるのです。